生きててごめんなさいと心から思った日

御堂筋線ホーム。時刻は既に0時を回り、皆足早に、しかしどこか気だるげに改札への階段をのぼっていった。私はトイレに行きたかった。漏れそうだった。このまま私鉄に乗り換えたところでどこかで死んでしまうと思った。しかしトイレに寄ると終電を逃してしまう可能性が高くなる。トイレは最寄り駅に着いてから行けばいい。そう自分に言い聞かせて私は京阪線の改札を通り抜けた。

次の記憶は駅員さんに肩を叩かれるところから始まる。おや、着いてしまったのか。はて、私の最寄は終点になるような場所ではないぞ。ああ、数駅手前の車庫がある駅に着いたのだな。おやおや、私としたことが、行き先を見てなかった。そう思いつつ電車を降りると寝ぼけているのか酔っているのか思ったよりも足取りがしっかりしなかった。次の電車あるかな、それともこれは終電なのかな、そう考えて電光掲示板を探したが目に入る前に「改札はあっちですよ」と駅員さんに声を掛けられた。ああやっぱり終電だったのか。最寄目前にしてなんと情けないことだろう。私の他にも数人今起きましたというような風情の人がふらふらと階段を降りていた。階段を下りながら、少し記憶の中の駅と違うような雰囲気を感じつつも私の中には他の駅にいるという可能性がまるでなかった。改札の前に並ぶタクシーの運転手を見ながら改札を通り抜けた。ここから帰ればツーメーターくらいで終わるのだろうか。それとも歩いて帰ろうか。

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