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そう、言うなれば若気の至り

日記 現場感想文

「つぼみ」のことは結構前から知っていた。ゆかリストの知り合いがそこそこしっかりしたつぼみのヲタクだったからである。当時サケカスだったわたし(温室育ち)はそんなローカルなところに行くなんて根性あるなあと思っていたものでしたが、気が付けばわたしは対バン形式のライブでその「つぼみ」をよく見るようになっており、挙句の果てにはクリスマス、聖なる夜をなんばグランド花月で、彼女たちの単独公演に捧げてしまったのだから人生っつーもんは本当気が抜けないものでござぁす。

そもそもわたしは絶対にそういうローカルな世界には行かないぞ、と決めていたわけでござぁす。時は2011年、愛すべき推しを失ったわたしは新たな現場、心を捧げられるアイドルを求め、虚ろな目をして街をさまよう日々。そんなある日ひっかけ橋でひっかけられまして。当時いたいけな少女ですよわたしは。いや18くらいにはなっていたけども。ストリートライブしているよく分からない女の人たちに引っかけられたのです。当時よく分からんけど歌を歌っている女と見ればとりあえず観察するという習性をもっており(推しを求めすぎである)、興味深げに佇んでいればそりゃ引っかけられるわけであります。おばさんでした、正直言って当時のわたしから見るとおばさんでしたよ。でもわたしはおばさんが好きなのです(これはひどい告白)。あれよあれよという間にわたしはライブを見に行くことになりました。対バン形式のよくあるアレです。今でこそ色々と対バンライブに行くようになっていますが当時はまさに童貞クンだったわけです。しかもハジメテに選んだ相手があまりに手慣れの熟女すぎた。暗かったことしか覚えてない。ライブなんだから暗いのは当たり前なのに、あの時はその暗さが異様な恐怖を醸し出していた。なんとてわたしはいたいけな童貞クン(18)だったのである。

地下アイドル。その言葉を好きな人に使うのは好きじゃないのですが、今回は別に好きな人の話ではないので言いましょう。あれは地下百階くらいのライブだった。溢れるカバー曲。一体どれだけ青空片想い聴けばいいねん。そんな空間だった。わたしはこれがローカルなアイドルなのだと思った。こわい。ヲタクも演者もただただ恐かった。わたしは絶対にこういう世界にだけは、絶対に、、帰り道ではそう決意した。アイドルなのかシンガーなのか、はたまたトーシロなのかよく分からない人はめちゃくちゃ喜んでくれていた。童貞は震えていた。入場料は安かった。

色々とライブを見に行くようになった今日この頃、わたしは思った。あれは地下百階の話だったのだ、と。決してローカルなアイドルが全部ああではないということを。ローカルなアイドルの中にも実力があり、階層があるのだということを。ホッとした。みんながみんなそうじゃなくて、ホッとしたよ。わたしが最近見に行っている辺りはもはやメジャーだ。あの日の混沌を振り返ればそう思う……。

件のライブハウスに、先日行ってきた。前を通りかかる度にあの時の熟女を思い出していた。前を通りかかる度にシンプルな黒歴史に苛まれていた。わたしは、あのライブハウスに行った。

つぼみの話にここでやっと戻るわけでござぁす。つぼみの中には色々ユニットがあるみたいなんですけど、その中の一つ、糸原沙也加さんと岡本蓮さんからなるふわふわパンチというユニットの単独ライブに行ってきたのです。そのライブが、件のライブハウスで行われていたわけでしてね。久々に入ったその空間は記憶よりもずっとずっと小さかった。もっとだだっ広くて暗くて恐かったような気がしていたが、記憶というのはつくづくアテにならないモンです。あの時は勿論、今回もまた別の意味でコアな人たちしかいなかった。正直なぜチケットを取ったのかもよく分からない、多分クリスマス後に申し込みがあったのだろうと思うのですが、そう、よく分からないけどわたしはイトッチとソイヤがそれなりに好きだから別に場違いではなかったはずなのです。

ソイヤが演奏するギターでイトッチが歌う「あなたに決めました」が一曲目でした。そうわたしはこの曲を聴きに来たのだ。

あなたに決めました 恋することに決めました
心に決めました 誰かじゃない あなたに
あなたに決めました 恋することに決めました
もっと もっと もっと あなたに

聴けよ、このイイキョクを。初めて聴いたその時からわたしはこの曲の虜なのである。正直つぼみのことはよく知らない。これからとてつもない興味が生まれるとも今の段階では思えない。それでもわたしはこの曲が、もはや関西アイドルというジャンルで見ても三本指に入るほどの勢いで、この曲が好きなのである。まごうことなきガチ恋ソング。素晴らしい。ふわパンが歌うこの曲は決して上手とは言えなかったけれど、味があった。この二人のことをすごく好きな人が聴いていたらきっとすごく響くだろうなと思った。ちょっと好きなわたしが聴いても響いたから。

いいライブでした。終始アットホーム。ヲタクもふわパンもいい人たちなんだろうなと思いました。あとMCとかになると面白くて、やっぱりこの人ら吉本だわ~という安心感。つぼみはイイキョク多いなあ~。基本的にはいちばん好きな人がいちばん好きすぎてあんまり他に興味が出ないタイプなんですけど、それでもたまにはこういう風にあんまり関係のない現場というか、そういうの行くと調子がいいなと思います。なんかそれはそれの癒しがあるよなという話である。あとそういう現場の帰りに「ハッ……今とても好きな人に会いたい……」みたいな感じになる瞬間が嫌いじゃなかったりもします。とにかく平和だった。良かった。目指せポケモンマスターがあんなにイイキョクだなんてわたしは今まで知らなかった。あと吉岡久美子は日本の宝、明日への希望。そういうことだ。

あのライブハウスでの思い出はただの黒歴史でしたが、ふわパンさんの白き光のおかげでグレーくらいにはなりました。グレー歴史に消化されて良かったです。あと一回くらい誰か見れば白歴史になるかもしれません。そういえばクリスマスのNGK以降、つぼみを見ていない気がする。つぼみの中でも三本指に入るくらいには好きだったちゃいさんが卒業してしまって寂しい。ちなみに一番好きなのは杉山優華さんです。ゆーかさんはつるの的「なんか無性に好みの女ランキング」関西アイドル部門で一年連続一位を獲得している人です。声といいキャラといい顔といい、正直好き。でもそういう人はなぜか好きにならない、そういうとこがある。

好きになるのは好みのタイプじゃない人、という流れがここ数年強い。もはや好みのタイプじゃない人がタイプです、と言ってもいいのではないだろうかと思う。大体好みのタイプなんてアテにならない。人の脳味噌なんて展開次第でどうだって丸め込まれるのだ。そう、なんだっていい。わたしは宮崎梨緒ちゃんが好き、つるのアイドルヲタク10年目、好みのタイプは宮崎梨緒ちゃんです♡。そういうとこある。若気の至りを繰り返してここまで来た。10年目。そろそろ若くない。