僕は君に“好き”って言いたい!

さくらもすっかり散り始め、葉っぱが占める割合が大きくなってきた。こうなってしまえばわたしはさくらが嫌いである。過去に三回毛虫(と思われるなにか)にヤられてしまった経験がある。忘れもしない、小学生だったあの日。どこでどうなってそうなったか分からないが、二の腕がヤられた。泣きながら家に帰って泣きながら母親に縋りついた。もはやあれが毛虫のせいだったのかも分からないが十中八九毛虫のせいだったと思っている。中学の時にはチャドクガにコテンパンにヤられてしまった。かゆかった。

わたしの田舎嫌いはこういうところからもきている。コンクリートジャングルの中に居てこれほどの経験があるのだから、もう視界が茶色と緑に占められた日には地獄である。わたしは神隠しと毛虫がこわい。ずっと小さい頃から。でも他に毛虫に刺された経験がある人に出会ったこともあまりない。みんな隠してるのかな?恥ずかしいことじゃないよ、素直になりなよ………。

とはいえここ最近は咲いているさくらになら近寄れるようになった。昔は咲いていようが関係なくさくらが恐かった。大人になるということは少し鈍くなるということなのかもしれない。

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人生をリアルとヲタクに分けるとしたら、リアルの暮らしにおける繊細さは失われつつあるなと感じている。人間関係に関しても深く考えることは無くなったし開き直りが強くなったと思う。相変わらず胃カメラ(未経験)はこわいし採血は想像しただけで少し気分が悪くなるレベルでこわい、それでも色々なことに対する恐怖は小さい頃よりマシになった。色々なことに対してなんとかなるな、と思えるようになった。

しかしヲタクの方で考えるとどうだろうか。なんにも鈍化出来ていない。むしろ年々繊細になっていく。風が吹くだけで心が痛む。春は春だから悲しくなり、夏は夏の切なさを取り出し、秋は秋の虚しさを感じ、冬は冬の冷たさに涙する。四季と共に生きるガチ恋。もうすぐ夏が来る。昨年の夏は暑かった。熱かった。よく分からぬままに駆け抜けた夏、後にも先にも2016年の夏を超える夏は過ごせないのではないかと思う。今年の夏はどういう夏になるのだろうか。

去年の夏は駆け抜けた夏でもありよく感じた夏でもあった。ガチ恋ソング探しにご執心だったような覚えがある。そんな中で優勝はやっぱりONIGAWARA。音楽には聴くだけでよく聴いてた時期に引き戻す魔法があるけれど、ONIGAWARAを聴くと本当にあの夏の匂いを思い出す。次点は大停電のTROPICAL CANDY、ミュージックビデオにLovelys!!!!が出演していることもあってエモさでいうと大停電の勝ちかもしれない。なんやねんこのどうでもいい勝ち負け。

欲望

欲望

 

中でも一番聴いたアルバムはコイツだ。この中の「ボーイフレンドになりたいっ!」「チョコレイトをちょうだい」「恋はすいみん不足」あたりは間違いなく昨夏のテーマソングだった。未だによく聴いているのに、それでも聴く度に夏の香りがする。ONIGAWARAを聴けば聴くほど宮崎梨緒ちゃんに焦がれた夏を想いビックリマークが四本だったラブリーズを想う。今年の夏はLovelysとYes Happy!と過ごす夏なのかー、と思うと多少の寂しさを感じたりもする。それは理屈じゃないことだと思う。

アルバムとしてはこっちの方が聴いてたけど曲としていちばん聴いてるのは「ポップミュージックは僕のもの」だと思う。音楽への気持ちを歌ったものだけど、音楽へガチ恋するかアイドルへガチ恋するか、そんなのは紙一重の差だ(せやろか)。故にわたしはこの曲を聴く度に恋をする。

ロックが好き!パンクが好き!
でも僕は君が一番好きだよ

ONIGAWARA/歌詞:ポップミュージックは僕のもの/うたまっぷ歌詞無料検索

分かる!!これに続く「才能はない...でもそれでいいじゃん!僕は僕だから」という歌詞に何度支えられたことでしょうか。色んな曲を好きなのは好きなんだけど、音楽に対する造詣が深いわけでもなく楽器の音を聴いてもどれがどれだか、みたいな感じのレベルな自分を肯定してくれる歌詞でもある。ONIGAWARAがそれでいいじゃん!って歌ってくれたらそっかー!そやなー!!って思える。わたしは自分を肯定してくれるなにかを欲しすぎているのかもしれない。あ、もちろん「僕は君が一番好きだよ」のとこでは宮崎梨緒ちゃんが思い浮かびます(照り)

そんな風に肯定を欲している割に、自分がいちばん自分を肯定しないのが悪い癖だ。その延長線のような感じで自意識と向き合うという趣味がある。そもそも向き合いがちだったところに持ってきて最近履きはじめた二足のわらじ、おかげさまでより一層自意識と向き合うことが出来ている。最近のテーマは「恋と忠誠心」である。このふたつは同時に持つことが出来ないような気がしている。恋をしている人に対して忠誠心は持てないし、忠誠心を持っている人に対して恋は出来ないのではないかと思う。じゃあ恋する相手と忠誠心を尽くす相手を同時に持つことは可能なのだろうか、最近はそのようなことをずっと考えている。ヒマかよ。ヒマなのである。自分の考えを自分で否定し、時に肯定して。ひとりあそびが上手と呼んでほしい、せめて……。自意識は迷路……。哲学なのかもしれない……。

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そんな迷路に迷い込んだわたしを救い出してくれるのはやはりこの曲なわけである。「僕は君に“好き”って言いたい!君に“好きだ”って言われたい!」色んな言葉並べ立てたって最終的にはここに行きつくのかもしれない。アイドルは優しい。長い手紙を受け取った上でありがとうとまで言ってくれて、好きだ好きだかわいいかわいいといくら言ってもありがとうと言ってくれる。普通の人相手じゃもはや事案である。アイドル相手だからっていいのだろうか?って思わないでもないけど、それでもそう、僕は君に好きって言いたい。それに尽きてしまうのだ。素直でド直球なこの歌詞がいちばん好きだ。

今年の夏もいっぱい楽しみたいなあ。昨夏の終わり、Yes Happy!さんがLovelys!!!!から卒業した日。あのライブ後の物販で宮崎梨緒ちゃんに本当に楽しい夏だった、というようなことを話したらりおちゃんが「来年も!」って言ってくれたことがあって。わたしは未だにそのたった一言を思い出したらトゥクン……となってしまう。うまく言えないけどすごく嬉しかったのだ。アイドルから語られる未来が好きだからかもしれない。来年もりおちゃんと、らぶりーずちゃんとめくるめく楽しい夏!と思えたからかもしれない。そんな「来年の夏」がもうすぐそこまでやってきている。楽しみだなあー今年も。バリバリに恋していきたいと思う。今年の夏は二足のわらじならぬ二足のサンダルを履いて。ビールを飲んで海に行ってカメラを振り回して。ONIGAWARAの言葉を借りるなら「好きならいいじゃん!楽しけりゃいいじゃん!」まさにそれ。楽しい夏、早く来い!

夏よ、急げ!

夏よ、急げ!

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